I Must Love You Too Much


とプログレ



I Must Love You Too Much

ヘレナ・スプリングスとの共作で未発表曲。クリントン・ヘイリンによれば、78年9月にランダウンで録音されたであろう曲。確認されている最初の音源は78年9月17日、ニューヘイヴンでのリハーサル(サウンドチェック)で完全インストと歌入りの2ヴァージョン。その後24日のニューヨーク、ビンガムトン公演の本番で演奏される。


I Must Love You Too Much (Binghamton)



ディランをパフォーマーとしても作家としても大いに尊敬していたグレッグ・レイクは、自身の初のソロアルバム(1981年)でディランの曲を演りたいと考えていた。

グレッグ・レイク:パフォーマーとしても作家としても大いに彼を尊敬していた、なので何かボブ・ディランの曲をアルバムでやりたかった。で、彼のツアーマネージャーの仕事をしてる友人がいたんだ。みんながやってるような普通のカヴァーはやりたくなかった。何か珍しい曲が歌えたら、そう彼の未発表曲のようなものが見たかった。そして彼は、未完成の曲を送ってきて言った「もしその曲を完成させられたらそれが一番の解決策になるだろう」でこうなった。


Love You Too Much(Bob Dylan, Helena Springs Greg Lake)

ELPでラヴ・ビーチを出したとき、ついに自らに恐怖の頭脳改革をほどこし脳がやられてアホ・ビーチなどと散々に言われたが、その後のフォリナーやらエイジアなどの登場を見ればそれがレコード会社の意向だったにせよ、流れ的に色んな意味でのターニングポイントだったのだと今となっては無理矢理納得せざるを得ないか…(笑)

このグレッグ・レイクのソロも時流に乗り、ポップな音作りになっているのだが、ミュージシャンの選択がもう何か典型的英国人的英米混成ミーハー選択と言うべき人選で、そのやりたい放題に笑ってしまう。初のソロアルバムで、とことんやりたいことをやってみたという感じがする。ディランの曲もそうだったのだろう。

Greg Lake – vocals and guitars
Tommy Eyre, Bill Cuomo and Greg Mathieson – keyboards
Gary Moore, Steve Lukather, Dean Parks and W. G. Snuffy Walden – guitars
Tristram Margetts and David Hungate – bass
Ted McKenna, Michael Giles, Jode Leigh and Jeff Porcaro – drums
Clarence Clemons – saxophone
Willie Cochrane and David Milner – pipers



1996年、ザ・バンドがアルバムHigh on the Hogでこの曲をカヴァーしている


I Must Love You Too Much(Bob Dylan, Helena Springs)

78年のディランのヴァージョンに非常に近い物だ。一方でグレッグのヴァージョンは80年代半ばのディラン流ポップを彷彿とさせる感があり面白い。80年代のディランの曲だと言ったら皆が納得しそうだ。ディランのヴァージョンはI Must Love You Too Muchだがグレッグは Love You Too Muchとなっている。この辺りは著作権登録の問題があるのかもしれない。ディランはこの曲を85年頃まで手直しをしていたようだが、結局公開されていない。ディランとヘレナの共作は20曲近くありそうだが、有名なものはクラプトンのバックレスに収められているWalk Out In The RainIf I Don't Be There By Morningなどがある。ディランとヘレナの作業はディランのクリスチャンへの傾倒に影響を与えたかもしれないと想像するが、詳しいことはわからない。


しかしこうしてみると、プログレ系のミュージシャンにディランは、好かれる傾向にあるのだろうか、少し意外な気がしないでもない。スティーブ・ハウはご存じの通り、ディランのカヴァーアルバムを出し、息子にディランと命名するほどのフリークだし、フロイドの二人、特にロジャー・ウォーターズも大のディランファンだ。マウロ・パガーニは生涯で1番のアルバムとしてHighway 61 Revisitedを選び、1,000回聞いたと言っていた。グレッグ・レイクのソロアルバムにも参加していたマイケル・ジャイルズ、彼もディランファンだ。バンドを従えて録音されたBlonde on Blondeを聴いたマイケル・ジャイルズは、何か心に来る感じがして、自分もディランのように何かに捕らわれること無く自由に出来るのだと思い、ピアノに向かった。その曲が含まれたアルバムは全く売れなかったが、後にキング・クリムズンに繋がる一歩だった。

プログレ系というより当時のミュージシャン達がジャンルに関係なく、何らかの刺激を受けていたのだろう。そうした想像を超えるような強力な影響力を持ちながら、一方でそれに見合うだけのセールスが無かった事も事実だった。そのデータをしっかりと把握していたクライブ・デイヴィスはディランとの契約を他のレーヴェルから勝ち取ったりしていた。



この曲の元になってるのが、ちょっとしたボブ・ディランの曲だって信じられないだろう …ピート・シンフィールド
King Crimson: Court In Session




Boz Burrell 7" single I Shall Be Released / Dove In The Flood (Columbia) 1968


The Nice - Country Pie - Live Essen 1969


she belongs to me


The Nice - My Back Pages














コメントを投稿

0 コメント