2015年8月10日

Soon

2015年8月10日


Gershwin gala


George and Ira Gershwin
The Gershwin gala the music of George Gershwin

舞台の上には天の川、客席にはシックに着飾った著名人たち…
ボブ・ディラン、彼自身も尊敬されるソングライター
1930年の『スーン(Soon)』でトリビュートの意を示した
アコースティック・ギターとハーモニカの自身の伴奏で曲を歌った
彼はブラックスーツに白いシャツを着ていた


もはやディランはアメリカの大空で、唯一のきら星では無くなっていた

短い人生の中、ガーシュウィンは決して自堕落にも
自己憐憫にも、無気力にならなかった

ディランの創作不振は、当時のパブリックイメージになっていた


--

1987年2月、ディランはタージ・マハルのライヴに姿を現し、ウオーレン・ジヴォンのアルバムにハーモニカで参加した。そして3月、ブルックリン音楽アカデミー125周年を記念したイヴェント、ブルックリン生まれのアメリカを代表する音楽家兄弟をトリビュートするGershwin Galaに出演した。

Gershwin Galaは、ジョージ・ガーシュウィン没後50年の区切りでもあった。典型的なユダヤ人で音楽の天才だったジョージ・ガーシュウィン、『ラプソディ・イン・ブルー』を作曲したのは、たった25歳の時だった。『パリのアメリカ人』は30歳手前、『ポーギーとベス』は37歳の時のものだ。




当初ディランは、ジョージ・ガーシュウィン初期の曲でアル・ジョンスンの録音で有名な『スワニー(Swanee)』という曲を演るつもりだったが、別に『スーン(Soon)』という曲を見つけて変更した。そしてディランはテッド・パールマンに会い、曲のアレンジの相談をし練習をした。
※当日ラリー・カートが『スワニー』を歌った

その時の模様は、7月にドイツのZDF、年末にPBSでそれそれ放送された。





ディランがガーシュインのトリビュート・コンサートに姿を現した時、ファンはそのことにとても驚いた。それは彼の音楽的な趣味や知識が、彼の崇拝者をはるかに超えていた事を示した。

ジョージ・ガーシュインは、ポピュラー音楽作曲家の中で最も影響力のある一人だった。兄のアイラ・ガーシュイン …ガーシュインの曲を話すとき、しばしば忘れられがちな… も同時代の傑出した作詞家だった。アイラはしゃれ(wordplay)とライム(rhyme)の達人で、ウイットに富み巧みな言葉使いで、時には凝りすぎてアーティスティックになりすぎる事もあった。





ジョージ・ガーシュウィン アイラ・ガーシュウィン



1920年代、ロレンツ・ハート、イップ・ハーバーグ、ドロシー・フィールズなどの若いソングライター達がポピュラー音楽の歌詞を『改良』し始めていた。彼らは「ポピュラー音楽を愛していたし、歌詞が良くなる事がわかっていた」。アーヴィング・バーリンやジェローム・カーンの初期の曲にあるような軽妙な現代的な詩や、ギルバート・アンド・サリヴァンのオペラに影響を受け、都会的な言葉を使うのと同じくらいに精巧なライミングテクニックを使っていた。

1930年代、音楽劇は最新の現代アートになっていた …
例えば、コール・ポーターの作品『エニシング・ゴーズ(Anything Goes)』は、ピューリタニズムの闘争で達成したより自由なアメリカン・スピリッツを陽気に祝福した

1935年、評論家は、『エニシング・ゴーズ』を見て「圧倒的にチケットを売り、社会の欠点を風刺したアメリカのミュージカルの一つ」だと書いた。ジョージ・S・カウフマンとガーシュインは『Of Thee I Sing:1931(オブ・ジー・アイ・シング)』で口火を切った。モス・ハートとアーヴィング・バーリンの『As Thousands Cheer:1933』がそれに続いた。こんな感じで『エニシング・ゴーズ:1935』がそれに続いた。



ディランのレパートリーの中に、ごくわずかなガーシュインの痕跡があるが …I'll Be Your Baby Tonightは、Nice Work If You Can Get Itの何かを借りていると思われる… ディランは、明らかに彼らをソングライターとして深く尊敬している:
 
「僕の曲はそんなに良くないよ、実際、曲は演奏するものだから。ホーギー・カーマイケルは僕の(曲)よりはるかにいいし、ジョージ・ガーシュウィンやアーヴィング・バーリンもそうだ」
(Bob Dylan, Elliott Mintz Interview for Westwood Radio, 1991)









しかしディランは、特別な何かを造りたいという野心と同じくらいに、社会的背景もガーシュインと似ていた。

ガーシュウィン兄弟は中産階級の移民で子供の頃から良く教育されていた…ディランのように…彼ら自身をアメリカナイズし…これまたディランのように…アフリカンアメリカンの文化と音楽に魅了され、全ての種類のアメリカ音楽を融合した。

そして、ディランとガーシュウィン兄弟は折衷主義の権化で、借用することを全く恐れていない。

1960年代、ジャーナリストのジーン・リーズがニューヨークでロバート・ラッセル・ベネットにインタヴューをした。彼はその当時、70歳くらいだっただろう。長い間ブロードウエイで最高のアレンジャー、オーケストレーターだった。

ベネットはガーシュウィンのことをある種のイディオ・サヴァンであるかのように語り、盗作者(plagiarist)とまでは言わなかったが、身の回りにあるどんな音楽的思考もピックアップできる特別な能力を持っていたと言った。

ジーン・リーズが、「でもベネットさん、曲の2、3バース聞けば、それがガーシュウィンだとすぐわかるでしょう?」と言うと、「あー」と彼は言い「いやー、それは天才だからだ」と言った。

才能では無く、天才だと言った。



『スーン』は、ガーシュウィンのよりシンプルであまり目立たない歌で、1930年、ミュージカル、Strike Up the Band のセカンド・ヴァージョンで書かれた曲だ。同じようにメロディックなモチーフで書かれていたThe Man I Loveと入れ替えられた。

この曲は、めったにカヴァーされる事は無かったが、エラ・フィッツジェラルドが彼女のアルバムでカヴァーしていた。


※自分の知る限り、エラはこのピアノヴァージョン(Ella Sings Gershwin 1950)とオーケストラヴァージョンSings the George and Ira Gershwin Song Book 1959)の2つのパターンを出している。ディランがどちらを聞いたのか、両方を聞いたのかは知らないが…































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