プラグイン50周年記念


65 Revisited









65 Revisited (Newport Folk Festival Podcast

1959年に始まったニューポート・フォーク・フェスティバル。70年代前半には開催が止まってしまったが、1985年に復活し以降、止まること無く今日まで開催されている。2009年には50周年記念のフェスティバルが開催され、アーロ・ガスリー、ジョーン・バイエズ、ジュディ・コリンズ、ランブリン・ジャック・エリオット、ピート・シガーなどが出演した。

ディラン自身は2002年にニューポートに戻ってきたが、2015年の今年は、1965年にディランがニューポートでエレキギターを弾いてから50周年ということで、最終日(7/25)、特別に "65 Revisited" と題されたセットが設けられた。出演メンバーは、『オールスターラインナップ』と言うだけで詳細は明かされなかった。







また、直前に1965年にディランが実際にニューポートで弾いたストラトキャスターを65 Revisitedで、誰かが弾くかもしれないとアナウンスされ、大きな話題となった。

このストラトキャスターは、当時ディランが使っていたプライヴェート・ジェットに忘れた物で、ジェットのパイロットが所有していた。パイロットは何度か連絡をしたがディラン側から取りに来る様子もなく、そのままになっていたのをパイロットの娘が屋根裏から見つけた。

パイロットの娘が、1965年の映像を見て、もしかして屋根裏のギターがその時のギターではないかと、PBSのTV番組『ヒストリー・ディテクティヴス』に調査を依頼した。結果、ギターは間違いなく1965年、ニューポートで使用された物だと断定されたが、ディランは「ニューポートのギターは自分が持っていが、その頃、盗まれた」と主張した。

2012年に『ヒストリー・ディテクティヴス』で放送されてから、ちょうど1年後の2013年7月、両者は突然和解し、連名でギターをオークションに出品するとアナウンスした。

そしてその年の12月、ギターはクリスティーズでオークションにかけられ、約1億円で落札された。

History Detectives (Category)


当初、落札者は明かされ無かったが、その後、明らかになっていた。落札したのはジム・アーセイ(Jim Irsay)、インディアナポリス・コルツのオーナーだ。




彼は、90本(200本?)以上のヴィンテージ・ギターを所有するコレクターで、今年になって1954年のレスポールプロトタイプ "Black Beauty" を3,300万円で落札している。他にもジョージ・ハリスンの赤のSG(6,900万円)やジェリー・ガルシアのタイガー(1億円)、エルヴィス・プレスリーのマーティンD-18…など、すごいギターを数多く所有しているそうだ。

John Lennon's 'Paperback Writer' Guitar Sells for $530K to Colts Owner (RS)
Jim Irsay brings another Beatles guitar into his fold (Indy Star)





@harper_speroが投稿した動画 -



そんなジム・アーセイ氏のはからいで、ストラトキャスターは50年ぶりにニューポートに戻ってきた。アーセイ氏のギターコレクションを管理している、クリストファー・マッキーニ氏と共にニューポートにやってきたギターは、本番ではドーズのテイラー・ゴールドスミスとホージアの二人がこのギターで演奏したようだ。また楽屋で『回し弾き』をしていたようだが、さすがに1億円の借り物、気を使っただろう。



テイラー・ゴールドスミス


ホージア


















秘密にされていた、65 Revisitedのセット内容は以下の通り。アル・クーパーがゲストで参加している。

Mr. Tamourine Man
Gillian Welch, Dave Rawlings

All I Really Want to Do 
Willie Watson

Love Minus Zero
Gillian Welch, Dave Rawlings, Willie Watson

It’s All Over Now Baby Blue
Gillian Welch, Dave Rawlings

Maggie’s Farm 
Gillian Welch, David Rawlings, Dawes

It Takes a lot to Laugh, Take a Train to Cry 
Preservation Hall Jazz Band, Gillian Welch, Dawes, Al Kooper

Tom’s Thumbs Blues 
Hozier, Al Kooper, Duane Betts, Tay Strathairn, Dawes, Klara Soderberg, Wylie Gelber, Dave Rawlings, Willie Watson 

Outlaw Blues 
Deer Tick, Dawes, Al Kooper Ian O'Neil, Duane Betts, John McCauley

Just Like a Woman
Blake Mills, Gillian Welch, David Rawlings, Dawes, Al Kooper

Visions of Johanna 
Gillian Welch, David Rawlings, Dawes, Al Kooper, Robyn Hitchcock

Sooner of Later One of Us Must Know 
Gillian Welch, David Rawlings, Dawes, Al Koope

Like a Rolling Stone 
Gillian Welch, David Rawlings, Dawes, Kooper

Rainy Day Woman 
Everybody



なんか、えらく上手側に寄ってて、下手が空いてるなと思ったら、アル・クーパーがちゃんと見えるように空けたんだねぇ






そして7月30日、ギターは安全にアーセイ氏の元に戻った。



そして、もう1本の重要なギター。マイケル・ブルームフィールドの63年テレキャスター。1965年のニューポート、Highway 61 Revisitedのレコーディングでも使用されたものだ。あの、ギターケースもなくセッションに持参したテレキャスター…ライヴで使用したのではないが、レストアされたギターをGEスミスがインプレッションしている。









今回のフェスティバルには、ジェームス・テイラーも出演していたが、ロジャー・ウォーターズとマイ・モーニング・ジャケットのジョイントに注目が集まった。ロジャー・ウォーターズは、50周年記念としてディランのForever Youngを歌った。このジョイントには、GEスミスとリヴォン・ヘルムの娘、エイミー・ヘルムも参加した。




以前、ロジャー・ウォーターズのツアーに参加していたGE。最近また一緒に演っているようだ






ロジャー・ウォーターズはジョン・プライン…そう、あのジョン・プラインのカヴァーHello in Thereを演り、続いてなんの違和感もなく、まるで曲が続いているように…Wish You Were Hereを演った。そして、リヴォンも好きでカヴァーしていたバディー・ミラーのWide River to Crossをリヴォンの娘エイミーと演奏した




JTとジョージ・ウェイン(ニューポート、フォーク&ジャズの創設者)


オリジナルのメロディーで客が一緒に歌っている … ディランがアコースティック・ギターだけでライヴを演っていた若いころは、冗談を言って客を笑せたり、にこやかなでフレンドリーなステージだった。あのまま、客に媚びを売る…じゃなく、客にやさしくまっとうな芸能人生活を過ごしていたら、今日、このような普通なステージを演っているディランになったいたのだろうか? まぁ、エレキ・ギターで色々と変わったようだ。

もうこのようなフェスに出ているバンドは、ほとんど知らなくて全然ついていけないのだが、First Aid Kitは凄いな。コレなんか、何周回ってるとかそういう問題じゃなく、もう別次元、宇宙人?(笑)。驚くとかじゃなく、すごく動揺した。ネイティヴの人なんかどんな風に感じてるんだろうか。





それにしても『プラグイン45周年記念』のエントリーから5年経ったのか…












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