keeps Dylan album cover secrets

Knocked Out Loaded


Knocked Out Loaded、アルバム・ジャケットのデザインを担当したのがチャールズ・サピントン（Charles Sappington）という人物。以下は2009年のインタヴューから。




チャールズ・サピントンは、1960年代、ヒューストンのフォークミュージックシーンに身を投じていた。普段は、コーヒー・ハウスやザ・ジェスターに出演し、またちょっとしたグループを作り教会で「風に吹かれて」や「時代は変わる」などを歌っていた。

「僕らはとてもラディカルだった思うよ」彼は笑って答えた。

イーストエンドで生まれたサピントンは、パサディナの高校からサムヒューストン州立大学に進学したが結局カリフォルニアへ引っ越した。彼はカリフォルニアのデザイン会社で働き始めるが、その会社が1986年ディランのKnocked Out Loadedのアルバムカヴァーを手がけた会社だった。

サピントンは現在、カリフォルニアのパーム・スプリングズの郊外に住む写真家だ。



ジャケットのイメージを創ったのですか? それともデザインだけ?

パッケージを作ったんだ。しかし、その時契約をした…この件について口外しないと約束したんだ。ジャケットに関して法的な問題があった。もう随分と時間が経ったが、ディラン側の許可を得ない限り私は口を閉ざさなくてはならない。（Note：ディラン側はノーコメントだった）私が言えるのは、ボブ・ディランがオリジナルのイメージを我々に提供して、そしてそれを歪めたといことだけだ。


ジャケットについてディランと多くのやりとりをしましたか？

彼らは、当初、写真家が撮ったディランとトム・ペティの写真を用意していた。聞いたところによるとディランはそれらをゴミ箱に捨てたらしい。ただポラロイドのテスト・ショットは気に入ってた。それが最初に渡された物だった。私はそれをかなりいじくったが、彼らの反応は良くなかったので方向転換をした。ここは話せない部分だ。でもインナーにthank-yous（Special Thanks To） が…


中には、数多くのthank-yousがあった…

そう、でも最初はそんなに多くなかったんだ。20人くらいかな。彼はカリグラフィーではなく手書きの文字を望んだ。私はやるべき事がわかった。前妻に引き渡したんだ。彼女はUCLAでランドスケープ・アーキテクチャーのプログラムをやってた。彼女はレタリングに興味をもっていたんで完璧だ思ったんだ。それで、ボブにサンプルを送ったら気に入ってくれた。でも、リストに新しい名前を追加するために毎朝電話してきたよ。ある朝、もう印刷に回す日に、彼はあと5人名前を追加してきた。彼女は仕事に出るところだったが「待って、出ていく前にコレをやって」彼女は座ってそれをやった。






好きなアルバムジャケットはありますか?

さあ（笑）。


Knocked Out Loadedは当然として、2番目は?

ちょっと別の意味だが、Highway 61 Revisitedが好きだな。パサディナのバイク屋で働いていたんだ。大学にいたころバイトで始めたんだけど、そこでトライアンフやディランが着てたあのT-シャツを売っていた。で、その小さなバイクを試乗してたら雨が降ってきた。ずぶ濡れになって戻ってきたのでラックにあったあのT-シャツを着たんだ。それからボロボロになるで着た。そのT-シャツが大好きだった。1年くらい前、そんなシャツが無いかとそのトライアンフの店を探しに行ったんだ。もう無かったよ。

May 3, 2009

Former Houstonian keeps Dylan album cover secrets

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今でも、いたるところでKnocked Out Loadedのアルバムカヴァーを描いたのは、チャールズ・サピントンと記されているが、そうでは無い。描いたのは別人だ。H.L. パーカスト（H.L.Parkhurst）という1876年、ミネアポリス生まれのアーティストだ。そして、アルバムカヴァーに使われたのはこの絵だ。





スパイシー・アドヴェンチャー・ストーリーズ（Spicy Adventure Stories / January 1939）というパルプ・マガジンの表紙に使われた物だった。サピントンによれば、（おそらく）ディランの要望でこの絵を歪めた。歪めたというのはおおざっぱに言って、こういう事だろう。

Knocked Out Loaded http://t.co/slo3ORBREn
— smz (@smz) 2014, 6月 28

長らくKnocked Out Loadedのジャケットは、Brownsville Girlの歌詞などからグレゴリー・ペックの白昼の決闘のポスターのようにサピントンが描いたと言われてきた。




その後、ハワード・スーンズがSpecial Thanks Toの1行目にある俳優のトニー・グッドストーン（Tony Goodstone）のガールフレンドで当時、ディランのアシスタントだったゲイリー・シャフナー（Gary Shafner）[男性]が、中古品店で見つけたポスターをディランが気に入り、ジャケットに採用したと書いている。その時、誰かがライツ（権利）の事を言ったので、ディランが「じゃあ裁判だ」みたいなこと言ったらしい。






しかし、一方でそれは、そのトニー・グッドストーンが俳優のトニー・グッドストーンでは無く全く別人のザ・パルプス（The Pulps）というアメリカン・パルプフィクションの雑誌の編集で働いていた同姓同名のトニー・グッドストーンでは無いかと推測する人もいた。ディランは長年にわたりパルプ・フィクションのファンのようだし、どこかでパーカストのオリジナルを見たか、或いはグッドストーンの本で知ったのかも知れない。


…という事が2010年の時点で語られていたのだ。因みに最後の鋭い意見を言ったのは、フレッド・バルス（Fred Bals）だ。
→Bob hates Andy
→フレッド・バルスの挑戦

そして、今回ようやく元の絵が出てきた。出したのは、ディランのダヴィンチコード、Scott Warmuthだ。これでサピントンの2009年のインタヴューも合点がいく。




そのサピントン本人らしき書き込みがExpecting Rainにある。

notherelong
Post subject: Re: Album cover and Bob Dylan On the New Album
PostPosted: Sat May 2nd, 2009, 23:56 GMT

First of all the credit on the album says "Album Art: Charles Sappington" not picture by Charles Sappington. Second the original image is NOT from a Gregory Peck Movie. As to where it originated, you will have to ask BD. It's true this is probably his worst selling record ever however it seems to be gaining a growing cult following. I have had several inquiries lately after 20 years or more of dormancy. Also at the time of the release in 1986 the "other" LA paper at the time said it was "his best album art since Nashville Skyline". If you want to know more about Charles Sappington I suggest you visit his website: charlessappington.com
Sincerely
Charles Sappington

まず初めに、クレジットは「アルバム・アート：チャールズ・サピントン」で描いたのがチャールズ・サピントンとは言ってない。二つ目、オリジナル・イメージはグレゴリー・ペックの映画からでは無い。その由来は、BDに訊かなければならない。カルト信者がどんどん増えてもこのアルバムの売り上げが最悪なのは事実だ。20年以上休眠状態だったが最近いくつかの問い合わせがあった。1986年、アルバムがリリースされた当時、”もう一つの”LAの新聞が「Nashville Skyline以来ベストなアルバム・アート」だと評した。チャールズ・サピントンに興味があるなら彼のウエブを訪れてくれ。
charlessappington.com




今回またフレッド・バルスが記事にまとめてくれている。
▼Spicy Adventures and Knocked Out Loaded

そのエントリーにゲイリーという人がコメントを書いている（まさか彼女のGary…じゃないよな）。それが面白い。絵を歪めた理由について書いているのだが、絵を歪めると映画のスクリーンをとても間近で見てる…例えば映画館の客席の最前列で見てるよな感じ…のに似てる。それがゲイリーさんが映画のポスターに由来していると思う理由だと言ってる。

面白い。

P.S.
Knocked Out LoadedというタイトルはJunco Partnerというブルースの歌詞からきているそうだ。



Down the road came a Junco Partner
Boy, he was loaded as can be
He was knocked out, knocked out loaded
He was a'wobblin' all over the street....


Special Thanks To:
Tony Goodstone
Norm's Guitars
Britt Bacon
Susies Pullen
Tony Dimitriades
Jeff Rosen
Jeff Jones
Sid Fernandez
Steve Howe
Rita & Britta
Harry Dean Stanton
Frank Zappa
Gay Austin
Sam Shepard
Ben Saltzman
Naomi Saltzman
David Geffen
Carole Childs
Jackson Browne
Margarita
Diane
Vicki
Irene
Mike Campbell
Howie Epstein
Tom Petty
Benmont Tench
Stan Lynch
John Trudell
Claudia Lanier
Mildred & Charlotte
Mattie
Ludella
Bommu Kingsley
Sharon
Carol
Randy Newman
Capitol Records
David
Keith
Willie
Bob
Ahmet
Eric
George
Martin Sheen
Paul Rappaport
Andre
Zusha
Annette
Baby Boo Boo
Vanessa
Clara
Jesse Ed Davis
The Baroness
The Duchess
Helena
Narette
Reggae Queen
Louie & Corrine
Rabbi Spector
Buggs Weidel
Charles Rook
Musicland
Joey & Louie
Rev. T. Alexander
Mark Knopfler
Stage Deli
Baghdad Restaurant
Something Fishy
Zucky's
Lil & Mel
Peter Takiff
Bob Meyes
Marshall Gelfland
Bill Graham
Pammie
peachy
Chrissie Hynde
Sarah Wells
Kim Wilson
Highway Blues Girls
Ronnie Wood
Lulu Belle
Walter Yetnikoff
Ruben Blades
Miami Steve
Carol
Yvonne
Michael Mann
Elliot Roberts
Alan Rudolph
Iron Mike
Bill Walton
Chaim Guttenberg
Lou Reed
Stevie Wonder
Gal Shaped Just Like A Frog
Martine
Harriette Blaze
Diamentina
Danny
Tommy
Kate
Lanie
Stan & Huey
Desiree
Nicole
Arma Andon
Josh Abbey
Don Smith
Ruthie
Sly & Robbie
Richie Havens
David Kearny
Chris Bowman
Marty Feldman
Nick Egan
Dave Stewart
Jack Nicholson
Clydie King