
文字通り些細なニュース
■ボブ・ディランの偽者アカウント
昨年12月11日、ツイッターに@BobDylanTweetsというアカウントで「My First Tweet. Hi! Bob.」というツイートが投稿された。ヘッダーに「BOB DYLAN This is my only official and personal twitter account」と書かれていたので本物のアカウントだと思った人も多かったようだ。

最初のツイートは9:24分(ET)、そしてその数分後に「Joining Twitter today. First time.」という二つ目のツイートが投稿された。最初の投稿から3時間ほどでフォロワーは6,000を超えた。


そして最後の「This account is hoax created by Italian journalist Tommasso Debenedetti,」ツイートが投稿され、その後アカウントは凍結された。

ローリング・ストーン誌は、アカウントが偽者だとすぐさま確認を取った。
▼Rumor Control: Bob Dylan Did Not Join Twitter Today(RS)
最後のツイートでイタリアのジャーナリスト、トマッソ・デベネデッティの仕業だと告白めいた事をしている。トマッソ・デベネデッティは、「ガセネタツイート」で世界的に有名なイタリア人の事だろうが、
▼ガセネタ専門ツイッターユーザー、ソーシャルメディアの危険性に警鐘(AFP BB)
綴りが間違っている。
イタリア人は決して「Tommasso」とは書かず「Tommaso」と書くそうだ。
一方で英語を母国語とする人は「Tommasso」と書く。
▼Bob Dylan Twitter Account Is Fake, And So Is The Tweet Claiming Responsibility For It(IBT)
それにしても、一文字だけ違うというのもディランぽいな(笑)。
因みに本物の(笑)偽者アカウントはこの人かな? @FakeBob_Dylan
■What a Jewish
NPRのコーエン兄弟のインタヴュー、ジュー話がディープ過ぎる。
▼Coen brothers and Bob Dylan went to Zionist summer camp(Mondoweiss)
ディランが16歳(1957年)の時に行った、シオニストのサマーキャンプであるヘイゼル・キャンプ(ウェブスター)。そのサマー・キャンプに同じ時ではないがコーエン兄弟も行ったというところからディープな話になっていくのだが、まぁさっぱりわからないのでディランの写真でお茶を濁しておこう…
▼Herzl Camp…Back to the ’50s and ’60s(Herzl Camp)

そのキャンプで書いた詩が、2009年にオークションに出された。
▼10代のボブ・ディランが書いた詩、オークションに(AFP BB)
16歳で書いた詩が100万か…
2010年ディランがバルミツヴァーをしたヒビングのシナゴーク(Agudath Achim Synagogue)が売りに出されたという事が話題になった。そのニュースは勿論イスラエルでも報道された。アメリカはオバマが大統領になってからはイスラエルと距離をもつようになりそのことがイスラエル国内では大きな不満となっていた。また一方でイスラエル国外に住むユダヤ人のシオニズムへの懐疑…それは主にパレスチナに対する激しすぎる行動に対する反発でもあった。そうしたアメリカ国内でのイスラエルのプレゼンズ低下を危惧している矢先、ディランのシナゴークのニュースは、イスラエルにとっては、ガッカリさせられるのと同事にアメリカへの反発を増長させるニュースのように思えた。またその頃、エルサレムでは一部のグループがオバマの写真に靴を投げるというショッキングなニュースが流れていた。
それにしてもディランの周りにはあまりにもユダヤ人が多いな…まぁ基本的にユダヤ人が多い業界なんだな…
■目標達成
写真家のエリオット・ランディが写真集出版のためにキックスターターで資金を募っていたが既に目標の金額を軽くオーヴァーし目標金額の倍以上の資金が集まっている。流石としか言いようがない。
▼Elliott Landy's Photographs of THE BAND (Kickstarter)

■デイヴィッド・クロズビー、ディランにいじめられる
最新号のUNCUT誌でのインタヴューから

クロズビー:以前、ディランはよく朝起きると直ぐにコーヒーを飲み、そしてタイプライターに向かっていた。彼は仕事に倫理を持っていた。それはちょっとした彼のクレイジーな部分なんだ。クレイジーって言うのは、オオコウモリ(fruit bat)だって意味なんだけどね。ボブは人の気持ちをもてあそぶのが大好きなんだ。
レコードでボブと一緒に歌おうという時のことだ。「OKボブ、歌ってみせてくれ」て言ったら「あーじゃぁ始めよう」てボブが言うんだ。
「ボブ、この場面は前に映画で見たことがあるぞ。歌ってくれよ、そのチャンスがあるだろう」て言うとボブは「わかった」と言って横目でこっそりとこちらをうかがいながら1度だけ歌ったんだ。
歌い終わると「よし、これをやろう」て部屋に入ってボブは完璧に変えて歌ったんだ。わざとだ! なんとか歌えるところは無いかとじたばたしているしか無かったよ。
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いつものディランのやり方で、もてあそばれたわけだ(笑)。クロズビーは、フェイヴァリット・ミュージシャンを問われ、ジョニ・ミッチェルを挙げている。「彼女はボブと同じくらいに詩人だしミュージシャンとしてはボブよりずっと良い」
あとイーグルスのならず者のパクリの話とか…で、おれたちゃみんなフルーツバットみたいなもんだって。
▼David Crosby: “Joni Mitchell is a better songwriter than Bob Dylan” (UNCUT)
→2013 tour anatomised(42p~)
■ボブ・ディランズ・ヘアー
昨年の8月、ダン・オーバックの離婚に関する裁判所の書類をTMZが入手したことで明らかになり世間を騒がせた「ボブ・ディランズ・ヘアー」。その書類には離婚の結果、5億円とトヨタ・ハイランダー、家1軒そして「ボブ・ディランズ・ヘアー」が元妻のものになると記載されていた。
で、「ボブ・ディランズ・ヘアー」て一体なんのことだ?って 話題になった。
▼ブラック・キーズのダン・オーバック、離婚調停でボブ・ディランの髪の毛を元妻に譲る(R.O)
その「ボブ・ディランズ・ヘアー」の正体がついに判明した。
▼Black Keys Singer Dan Auerbach -- I Don't Own Bob Dylan's Real Hair ... But I Can Get It!! (TMZ)
ミルトン・グレイザーのポスターが「ボブ・ディラン・ヘアー」の正体。彼らはこのポスターをBob Dylan's Hairと呼んでいたのだった。

■フレッド・カーターJrは、Lay Lady Layでギターを弾いている
フレッド・カーターJrでグーグルすると、Lay Lady Layでギターを弾いているかどうか明確にわからない。例えば、ハロルドのこの記事
▼Fred Carter, Jr. dead at 76, played with Bob Dylan, but not on 'Lay, Lady, Lay'
フレッド・カーターJrは、Lay Lady Layでギターを弾いていると言われているが、その記録がどこにも残っていないのだ。フレッド・カーターJrの娘、ディアナ・カーターはそのことについて「間違いなく、弾いていた」と答えた。
▼Deana Carter On Songwriting, Kacey Musgraves and Kissing Bob Dylan(American Songwriter)

ディアナ:父がここに居て一緒にインタヴューを受けられたら、はっきりと言えるのに。みんな書き残していなかった。書きとめていたら、書類が残っていたのに。父は、ロイ・オービソンと長年演奏していたので、よくPretty Womanのリフを弾いたとクレジットされるけど、父はあれは自分ではないといつも言っていた。あのレコードで演奏はしたけど、そのことで目立とうなどと考えていなかった。父はいつもクレジットされていたけど、仲間のミュージシャンにはとても敬意を払っていた。だから自分がやらなかったことに対しては絶対にクレジットを拒否した。父は多分「あぁ、レコードで演奏した事全てを思い出すことなんてできない」と言うでしょう。父は、マディ・ウォーターズと演奏した。父はレイ・チャールズと演奏した。父はみんなと演奏した…でもそのレコード(Lay Lady Lay)には間違いなく父は居た。絶対に。
何年か前にボブ・ディランと2、3回一緒にショーを演りました。彼は私の尊敬する誰かであり、父と一緒に仕事をしたことも知っていたので会うのはぞっとした。スタジオで一緒にいる素晴らしい映像もあるし。でも、他の人があの象徴に会ったときのように、私の彼に対するイメージが粉々になるのは嫌だった。私たちはギグで会いました。私は彼に会いたかったので待っていました。彼はサウンドチェックをしていてステージでアンプのテストをしていました。私達は、フットボールフィールドから離れた自分たちのバスのところで話していました。彼はニット帽を被り、大きな(big bug)サングラスをしていました。誰かが彼のところに行き何かを話していました。すると彼は演奏を止めて振り返り、バスの方を見ました。そしてギターを置き、歩き始めました。私は、大興奮して彼のバスのところにいました。彼がやってきて、そして彼の腕を伸ばし、そして彼は…
“Did I shave my legs for this?”
と言って、強く抱きしめ、私の唇にキスをした。
彼は振り返り、ステージに戻ってギターを弾き始めた。
私は、Where’s my camera?! みたいな
これが全部。写真は無いけど、彼のやってることを見ていた。そして彼を凄く身近な身内のように感じたことは不思議だった。
Lay Lady Lay
■次はBlood on the Tracks、RTRのドキュメンタリーも…
ローリングストーン誌が最近のディランのプロジェクトに触れている…というわけで、とある情報提供者が色々と教えてくれている。
▼Bob Dylan's Bootleg Series Eyeing 'Blood on the Tracks' Next(RS)
はい、次のBootleg Seriesは'Blood on the Tracks'ですね。みんな知っています。えーローリングサンダーレヴユーのドキュメンタリーですか? それが今年中に見られるかもしれない。「既に出演者多くのインタビューは取り終えている。詳しいことは言えないし、いつ公開されるか見当もつかないが、今年中かな…」
Hard Rainの映像化はマーケットが無い…つまり出してもセールスが期待出来ないと言う理由で見送られているという。
1980年のゴスペルツアー、YouTubeなどで見られるトロントの公演は2インチテープで録画されているらしい。また他のショーも録音されており、それらはある日ブートレグシリーズでリリースされるかもしれない。しかしこれも「誰も興味を持たないのでは…」ということを危惧している。「今はその時期では無い丸い穴に四角い杭を打ち込むようなものだ」とも言っている。果たしてその丸い穴とやらが四角くなるのはいつの事なのか?
1978年のワールドツアー、そのほとんどを録音していたのに誰かがそのテープを消してしまった!! うーん、全くもって信じられん。
1986年のトム・ペティーとのシドニーのライブ。これもVHS(と多分レーザー)しか出ていない。ボブの情熱が詰まったこの映像もいつか再リリースされるだろう。
■マイケル・ブルームフィールドのBOX
来月ブルームフィールドのBOXセットが発売される
▼Mike Bloomfield: Rock's Forgotten Guitar Prodigy(RS)

"the guy that I always miss. . . . He had so much soul. And he knew all the styles."
"I think he'd still be around," "if he stayed with me."
■Esquire February 2014 issue
Seven Questions for Bob Dylan(Esquire)
多分、全文、太っ腹。



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