Shooting Highway 61 Revisited



ハイウェー61のカバーはニューヨークで撮った。これはそのとても短いストーリーだ。
..... ダニエル・クレイマー (Daniel Kramer)



写真を撮った場所はオー・ヘンリー・レストランだ。午後の間中かけた。全てカフェの外で撮影した。

撮影を始める際、一つだけがっかりした事があった。それはボブの服装だ。で、そこら中を歩き回ってメンズストアに入り洋服を買った。ボブに新しい服を着せ、またレストランに戻り2時間ほど写真を撮った。袖口に付いてたタグやらは外さなかったので付いたまんまだった。終わってから返すつもりだったのか知らないけれどずっと付いたままだ。

フィルム3本ほど撮って撮影を終えた。全てを持ってボブのアパートのリビングに持ち帰った。当時彼はニューヨークで、アルバート・グロスマンと住んでいた。部屋に着くとボブが言った「新しいTシャツを持ってるんだ。バイクのTシャツだ。とても気に入ってる、僕にはこれが合ってると思うんだ」というとボブはすぐさまそのTシャツを着て戻ってきた「どうだい? 何かに使えるんじゃないか」と言って見せた。私は「うーん、何かに使えるかもしれない、何に使おうか、どうしようか?」と答えた.......しかし実際は「何も出来ない」だった。もう全部終わっていたし、みんなくたびれてビルの入り口にいたからだ。




それでボブが階段に腰を下ろした。私はファインダー越しに彼を見た、背後に人がいるのが見えた、ロードマネジャーのボブ・ニューワースだった。ストライプのシャツを着たニューワースが後ろに立っていた。私はまだ何かが足りない感じたのでカメラバッグをあさってニコンSPを取り上げた。沢山の写真を撮ってきたカメラだ。一眼レフではなくライカのようなレンジファイダーのカメラだ。シャッター音もとても小さくディランの写真もこの特殊なカメラで撮った。背景の隙間を埋めるようにニューワースにはカメラの位置が動かないようにしっかりキープして持ってもらった。そして2枚だけ写真を撮った。

これが全てだ。






撮影はレコーディングが始まる随分前に行われた。この頃ダニエル・クレイマーがディランの件でユージン・スミスと会ってた事や、スミス自身もこの時期にディランの写真を撮っていたということから、ニューワースが持っているニコンはユージン・スミスのものじゃないかという推測したりする人もいた

ダニエル・クレイマーが2枚しか撮らなかったのならその2枚は上の↑2枚ということになる。右側の大きく配置されたディランに対して、左側の空間が気になったクレイマーはボブ・ニューワースにカメラを持たせた。撮影にどれだけの時間がかかったのかは分からないが、ニューワースが持ってるカメラの位置がほとんど動いていない。彼は言いつけを守ってカチカチに固まっていたのだろか(笑)。まぁカメラじゃなくて熊のぬいぐるみとかでもよかったのかもしれないが.....いずれにせよ、当たり前の事だが、たまたまカメラを持っていたわけじゃなく、意図的に配置されたということだけは確かだ。


1番上の写真は、見事に撮影現場を特定したジェフ・トーマス(Jeff Thomas)さんが写したもの。ほかにもニューヨークで撮影したジャケ写の現場などを特定している。
My Search for Bob Dylan Album Cover Locations in New York City

ちなみに、トライアンフのTシャツは「Triumph Dylan T-Shirt 」という商品になっている。








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