「The Rise of American Democracy」や「The Age of Reagan」の著者でありプリンストン大学の教授でもあるショーン・ウィレンツ(Sean Wilentz)がボブ・ディランに興味を持つようになった理由は彼の幼年時時代にまでさかのぼる。
ウィレンツの父と叔父はグリニッジビレッジの8丁目で本屋を営んでいた。本屋の上には叔父のアパートがあり、そこはビートニクな連中やダウンタウンの文士達のたまり場のようになっていた。そしてその場所は、ディランとギンズバーグが初めて会った場所でもあった。
子供の頃から長年ディランに興味を持っていたウィレンツが、来月アメリカで「Bob Dylan in America」と題された本を出版する。(因みに彼は、「ブートレグ・シリーズVol.6,1964:アット・フィルハーモニック・ホール」のライナーノーツを書いている)
ニューヨーカーに、インタビュー、Bob Dylan in America 第2章からの抜粋、(どちらも長い)そして関連記事が掲載されている。
▼Q. & A.: Sean Wilentz on Bob Dylan by Alex Ross
(アレックス・ロスによるインタビュー)
▼Penetrating Aether: The Beat Generation and Allen Ginsberg's America
(第2章からの抜粋)
▼Dylan and the Beats: Time In by Richard Brody
(関連記事)
▼Sean Wilentz(ショーン・ウィレンツのホームページ)
「アル・クーパーが凄い褒め言葉を言ってるよん」ですね。
以下はインタビューから簡単な抜粋
アレックス・ロス:君は、最近のディランに興味を持つきっかけになった1997年のWolf Trapでのライブについて話しているね。僕はその4日前のフィラデルフィアのショーを見たんだ。多分Wolf Trapでの演奏と同じような感じだったと思うけれど、そのショーで何がそんなに君の心を捉えたのかな?
ショーン・ウィレンツ:本当に!?僕もフィリーに居たらよかったのに......実はその数年前にディランに戻っていたんだ。ちょうど父が亡くなった時でディランの「World Gone Wrong」の"Lone Pilgrim"がそんな僕を慰めてくれたんだ。「World Gone Wrong」はアコースティックなアルバムだったけどWolf Trapでのディランは力強かった。"Absolutely Sweet Marie"でさえそうなんだ。
"Absolutely Sweet Marie" は1曲目だった。僕はもうそれで虜になった。ラリー・キャンベルは既にバンドにいた。そしてすぐにわかったんだ。彼が演奏すればバンドのサウンドが良くなるってね。
ショーのまん中あたりでは アコースティックで"Cocaine Blues"を演奏した。この時の超タイトな"Cocaine Blues"は10年後"Tell-Tale Signs"に収められた。
セットリストも演奏も申分無かった。ディランの声も力強かった。ショーが終った時、不思議な少年が現れて(本当なんだ!!)僕にディランの新譜のラフミックスが入ってるカセットを渡して、そして消えたんだ。それは"Time Out of Mind"だった。初めて"Not Dark Yet"を聞いた。そのカセットは今でも持っている。あの男が誰であろうと取返しにはこないだろう。とにかく忘れられない夜だった。
ショーン・ウィレンツが見た1997年8月24日の映像が
9月10日Update
9月7日、発売とともに多くのメディアに書評が出た。 Read an excerpt from Bob Dylan In America. [PDF](amazon)
▼How Bob Dylan Changed the '60s, and American Culture(The Atlantic)
▼Do We Really Need Another Bob Dylan Biography?(The Atlantic Wire)
▼Bob Dylan in America(N.Y Times)
▼Sean Wilentz's History 'Bob Dylan in America'(N.Y Times)
▼ 'Bob Dylan in America' by Sean Wilentz(L.A Times)
▼Historian Sean Wilentz, Author of 'Bob Dylan in America'(PBS)
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