Another Side of Bob Dylan


50th Anniversary(NMEの記事から)



もうこれ以上人々のために書きたくない。スポークスマンかよ…。これからは、僕の内面から書きたい…活動の一員じゃない…どの組織とも一緒に出来ない

(Me, I don't want to write for people anymore - you know, be a spokesman. From now on, I want to write from inside me ...I'm not part of no movement... I just can't make it with any organisation..)








補足
※ここでは、1964年は重大な年(big year)と記されているが、クリントン・ヘイリンは、trouble yearと呼んでいる。まぁ、ビッグだろうがトラブルだろうが裏返せばどちらにも当てはまりそうだが。

※名声が高まるにつれ増大する自身の影響力に脅えてニューヨークよりもウッドストックにあるグロスマンの家で過ごす事が多くなった。ディランは「ここから抜け出して放浪したいんだ」とスージー・ロトロの友人でジャーナリストのピート・カーマンに話し、2月、カーマンとフォーク歌手のポール・クレイトンそして新任のロード・マネージャー、ヴィクター・メイミューダスと共にフォードのステーションワゴンで全米横断の旅に出た。旅の表向きの目的もあったようだが、実際は麻薬と酒のへべれけ三昧のものだった、ディランは曲を書いたりしてたいたが、あまりのへべれけぶりに嫌気がさしたピートは、後半、旅から離脱し代わりにボブ・ニューワースが加わった。(まぁこんな感じでディラン・キャンプ…ディランのインナーサークルが形成されていったのだろう)

※旅から帰ったディランはスージーとの関係がさらに悪化していた。そして3月のある晩、激しい喧嘩をし別れてしまった(まぁBallade in Plain Dだ)

※5月にUKライヴ、観客にはビートルズやストーンズがいた。その後パリ、ベルリンを経由してギリシャのヴェルニルヤで休暇を取りここでAnother Side of Bob Dylanの大半を書いた。(そしてまたこのヴェルニルヤ(Vernilya)だ。これが何処にも無いのだ。その当時はあったが今は名前が変わったのかもしれない)

※歌詞の解釈、これだけは何とも言えない。ここでは、It Ain't Me Babeが例にあげられている。まぁ素直に解釈すればこれは男と女の話であり、男が女に「君が探してる弱虫じゃなくいつも強い男 それは僕じゃない 君が探してるのは僕じゃない」と言ってるのだが、この解釈のようにこれが男と女ではなく、ディランとファンの関係だという見方をする向きもある。つまりディランはファン(或いは世間一般)に対して自分はあなた方が思ってるような男では無いと言ってるのだ(そうだ)。何故この歌詞からそういう解釈が生まれるのかとか、そんな事を言い出したらきりが無いのだが、当時のディランを取り巻く空気のようなものだろうとしか言いようがない。それが正しいとか間違ってるとかの話では無い。あくまでもそういう解釈の話だ。こればっかりは、作った本人ですらコントロール出来ない。ディランがAnother Side of Bob Dylanというタイトルを嫌ったのもAnother Sideが過去の自分を否定しているようにとられるのが嫌だったのだろう、ただ当時そういう空気がディランを取り巻いていたのだろうというのは想像はできる。因みに"No No No"はビートルズの"She loves you Yeah Yeah Yeah"に影響されたというのは有名な話だ。

※ジャック・エリオットとのMr. Tambourine ManThe Bootleg Series Vol. 7: No Direction Home: The Soundtrackに収録されている。




※セッションが1日限りだったのは、レコード会社の販売会議に間に合わせるためだったらしい。ディランはボジョレーを数本飲み干して録音を続けた(多分、酔っ払ってる 笑)





曲はめちゃくちゃ正直だ。誰かの頭を混乱させるとかじゃなく、自分自身が書きたい、自分だけで書きたい、書くことが必要だという理由で書いたんだ。

(The songs are insanely honest, not meanin' to twist any heads an written only for the reason that I myself me alone wanted and needed to write them)


50 Years Ago: Bob Dylan Shakes Things Up with ‘Another Side’(UCR)
Another Side of Bob Dylan Turns 50 (COS)
Another Side of Bob Dylan at 50 (Peter Stone Brown)



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