昨年のサマー・ツアーでの出来事
昨年のアメリカーナラマツアー、ピオリアでのライブの日、偶然ディランと同じホテル居合わせたマイクさんの報告。
私は、イリノイ州ピオリアでのコンサートを見るために、その前日、家族と共に車を走らせていた。途中、私たちは
アリストンカフェに立ち寄った。そこはルート66沿いにあるネオンと素晴らしい食事で有名な歴史的なダイナーだ。かわいい子供達を連れていたからだろうか、店の人は、沢山の無料サーヴィスの品物を持ってきてくれた。私は友人のJDが好きそうなルート66の絵はがきを1枚選び彼に渡した。
コンサートの朝、私は2台の目立つバスが駐車場に止まってるのに気がついた。そして中折れ帽を被りシブいサングラスをしたミュージシャンらしき人物がバスの横からホテルのエントランスに向かって歩いているのを見た。最終的に彼はロビーに入ってきて椅子に腰を下ろし新聞を読みはじめた。私はほとんど怖じ気づいてそこから動くことも話すことも出来なくなった。が、しかし勇気を振り絞り気持ちを静めて彼に接近した。私は彼に、もしあの人がツアーバスに一緒にいてそして(少し唖然として)「yeah, uh-huh.」と言ったら、彼とほんの少しでもお話することが出来るかとそのバンドマンに訊ねた。彼は私を見つめながら「伝えてあげたいが、それは出来ない」と言った。今回が3回目のディランのショーだと言うと彼は楽しんでくれと言った。結局のところ彼はステュ・キンボールだった。私は知らないで彼と会っていた。私はスーパーファンでは無いが、JDが私の話の内容からステュだと断定した。その後、絵はがきにサインを貰おうと戻ったが既に彼はいなかった (arggggg!)。
その後、バスからホテルへ入るバンドメンバーを遠くから何度も見たが、未だにボブは見なかった。私たちはピオリアのリヴァーフロントに行き、数時間後ホテルに戻ってきた。妻がスエットと帽子をかぶったhobo-ishな人物がバスからホテルに入るのを見た。私は興奮して一緒にいたJDを掴んだ。彼が出てくるまでに場所を見つけなければならない。私たちは、彼がホテルへ戻ってくるのをかろうじて垣間見た。それがボブである可能性をJDと論じた。結果、その人物は良く知られている「フード変人(Hoodie Weirdo)」となった。(見たのは)ここからはかなり離れていた。彼の服装は本当にバギーだった。しかしその姿勢や歩き方は立派なものだった。数分後、私たちは部屋に戻りライブに出発する時間までうとうとした。
4時半ごろ、皆を集めて楽しい音楽の夕べに向かった。で、友人のフィッシュ・ドクターの車に近づこうとしたときJDにチケットを持っているかと訊ねた。彼は「おお、しまった。無い。直ぐ戻る」と言って部屋に引き返した。私とフィッシュ・ドクターは車に乗り込んだ。私は彼女の方を向き、彼女は私の方を向いていた。それはバスが見える方だった。そして彼女は私たちが話していた「フード変人」に気がついた。彼女は、「フード変人」を見終えるまでにそのことを私に言った。私は車を飛び出し最短距離を行った。私は本当にボブの事を期待していなかったが、しかし、それは他のバンドメンバーかもしれない。バスの後ろに消える前にその人物を捕らえたいと思った。私はバスに近づきフェンダーに写った人物が見えるところまで来ていた。私は歩みを緩めたが心臓はドキドキしていた。すると車両の間から小柄な男が現れた。私の目と脳は、ターミネーターがジョン・コナーのIDを検索するように彼の顔立ちを凝視した。そしてミリ秒後に認識した、彼はボブ・ディランだ、なんてこったボブ・ディラン!!!
純粋な本能は蹴り飛ばされ、何とか平静を保ちそして取りあえず叫んだ「今からあなたのショーを見に車で向かうところですよ、ボブ!」彼は私を見て少し驚いて言った「何?」私は同じ事を繰り返し言った。私たちは挨拶をして手を振った(彼は、はっきりと手を振った)。彼は色々と質問してきた。名前、仕事、何処で働いているのか、何処に住んでいるのか…。彼は本当に好奇心旺盛で物の言い方がイカしていた。サングラスを通して彼のまなざしが突き刺してくる、これは本当だ。私はボブのビッグファンJDの事を話した。そして彼に会ってくれたらと…。ボブはいいねと言ったが私はJDが何をするにも時間がかかることを恐れた。(私はこの事を忘れていた、急げJD、ちくしょうボブ・ディランだぞ!)ボブは行ってしまう。彼と居る瞬間瞬間が特権のように思えた。最終的に数分後…それは1時間位に感じた…JDが現れた。ははは、ついに! JDはクールな絵はがきをゲットした。私は自分の絵はがきにサインをしてもらうためにそれを取りに車に戻った。その間JDとフィッシュ・ドクターがボブと面白い話をしていた。ここからはJDの話だ。
…
もう一人の友人は、ディランファンでは全くなかったが、私たちが話してる間、困惑した母親のように我慢強くそばに立っていた。彼女は漁業に関する学者だった。ボブが絵はがきにサインしてくれることになりホテルに一緒に戻ったとき彼女を紹介するチャンスが出来た。彼は私たちの生活すべてにつて質問してきた。それで私は彼女が友人の某(なにがし)だと紹介した。彼女はフィッシュ・ドクター(とからかい気味に言った)。フィッシュ・ドクター! 本当に! 魚が病気になったら、病人のように扱うの? とボブが言った。友人は笑いながら手を振り、そうじゃなくて大学の教授で魚の研究をしてると言った。私はさらに続けて言った。魚の繁殖を助けるのにどうやって絞り出すの。ボブが彼女の顔を見て笑い始めた。それは未だかつて聞いたことのないくらい変な物だった。ボブはまだ笑っている。そう。ワイルドだ。まじめな話、ボブとの会話は信じられない出来事だった。完璧に。
絵はがきを持って戻ってきたとき、ボブとの会話の中で唯一の音楽の質問した。
私:OK OK 歌につての質問があります。私はカーボン・デール(イリノイ州)から来ました。カーボン・デールという地名は他にも沢山あります。そ、それで知りたいのです、カーボン・デールが私たちのカーボン・デールかどうか…
Duquesne Whistleのカーボン・デール。それはイリノイですか?
ボブ:(小さくウインクして)あー、そうだよ。
私:今夜、演奏しますか?
ボブ:演る(We just might)。
私:あなたを見るのが今回で3度目になります。サウゲットで一度、カーボン・デールは二度目です。あなたは前回の事を覚えていないかもしれませんが、数年前の事でした。
ボブ:覚えてると思うよ。以前、2、3回来たことがある。
ボディーガードはバス1台をぶち壊しそうな感じの人だったが、ボブがOKだったので彼も我々に手を振った。ボブ(それが意図的なものか普段のものか知らないが)が本当に謙虚だったことに感銘を受けた。ボブはパフォーマンスがしたいと2、3度言っていた。彼は「精一杯演るよ」と言った。うれしかった。私たちはショーに出発するときクラクションを鳴らし手を振った。それは望むことの出来る唯一の完璧な出来事だった。私とJD、二人ともボブと1対1の時間がもてたし家族もボブに会った。娘は恥ずかしがってママにしがみついていた。
My wife gave an ecstatic, "Hi Bob," and gave a huge half circle wave. Simply blessed.
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An incredible encounter with Bob Dylan, really
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Peoria(2013/7/11 - ボブのライブ)
昨年の7月11日といえば、デュークとチャーリーの件があってすぐの事だが、まぁディランはさすが落ち着いたものだ。それよりマイク達は何故これほどディランと交流できたのだろうか? 彼自身、以下ののように考えているようだ。
I do occasionally wonder why Bob was so receptive to me. There was one point early in the conversation, but after he had said no photos, where he assumed I was the press. When he asked me about it he said it in a way that made me think he didn't care if I was. I told him that I wasn't, but I was an avid amateur photographer. He seemed intrigued by this and asked me what kind of photography I did. I mostly do art and so that is what I told him. He gave me the feeling that he may have let me photo him since I know what I'm doing ( I only shoot film and I use a darkroom I built in my basement). We didn't elaborate on the subject beyond that because I think that is when J.D. showed up. If I have any regrets about the interaction, its not getting a chance to tell him more about my work. In the end, it was more important, by far, that J.D. got to meet him.
まぁ写真を撮らなかったとかそういう話のようだ。実際マイクが撮った写真はツアーバスの写真1枚だけだった。たしかに写真が撮れたら凄く良かっただろうがサインはそれに勝ると彼は別のコメントで言ってる。あとカーボン・デールがイリノイだった事で二人は大興奮したようだ。ていうか、ディランの回りに誰もいなければかなりの確率でディランに近づける…のかな(笑)。
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