ボブ・ディラン、今年のフォール・ツアーも終了した
今回も、ガイ・フレッチャーのツアーブログからだ。ツアーブログと言っても彼らはあくまでも「ゲスト」という立場だ。だからそうした事をわきまえた内容だ。ディランの話などほとんど出てこないが、ときおりサービスで少しだけ書いてくれている。まぁ中身はほとんどないが....
ディランとマーク・ノップラーの共演が最初は1曲から始まり3曲、そして4曲、5曲になっていったこと、毎回ショーが始まる前に、二人はいつも1時間ほどおしゃべりに没頭していたことなどが書かれていた。
写真の多くはフリッカーからのもの
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10月14日 ボーンマス (Bournemouth England)
会場に到達してから間もなく、ピート(マークのツアー・マネージャー)が、ボブからのメッセージを伝えに控室へやって来た。それは、今夜のショーで1曲一緒にやらないかというボブからの誘いだった。マークは承諾するとすぐディランバンドとリハーサルできるようアンプをステージにセットした。 グレン・サガーズ(Glenn Saggers)も一緒に機材をセットし、ディランバンドと'Beyond here lies nothing'の変更箇所をチェックした。
9時15分、ボブとバンドはステージに上がった。僕たちのバンドはステージ上手のモニターミキサーの後ろからショーを見ていた。4曲目が終わると59年のレスポールで武装したマークが演奏に加わりファインプレーをした。今夜のボブの歌と演奏は本当に凄いエネルギーに満ち溢れ、そしてとても素晴らしいと言わざるを得ない。
Live audio recording from Bob Dylan's concert in Bourneouth, England, October 14, 2011. Mark Knopfler onguitar
10月16日 リール(Lille France)
Bob Dylan - 2011-10-16 - Lille, FR (FLAC) by T.U.B.E
Bob Dylan - 2011-10-17 - Paris, FR (FLAC) by T.U.B.E
10月19日 アントワープ(Antwerp Belgium)
今夜も素晴らしいショーだった。ハッピーなベルギー人で埋め尽くされた巨大なアリーナ。彼らは幸せそうに見えた。明るいクリーム色のスーツを着たボブズバンドも今夜は一段とシャープに思えた。
ショーが終わり搬出作業をしているクルー達に挨拶をして、僕らが乗る2台のバスはロッテルダムに向けて出発した。
10月21日 エッシュ・シュル・アルゼット(Esch-sur-Alzette Luxembourg)
会場の外でマークとボブが長い間、話しているのに気がついた。もしかしてこのショーの何か重要な事を話してるんじゃないかと思った。
僕たちのセットが終わり、控室に戻ろうしたころマークは今夜2度目のステージに上がろうとしていた。僕たちは飲み物を掴んでステージ上手で舞台の進行を見守っていた。
今夜マークは最初の3曲 「Leopard-Skin Pill-Box Hat」、「It's All Over Now, Baby Blue'」、「Things Have Changed」でボブズバンドと演奏をした。
ボブの調子も良く、マークの演奏もファンタスティックだった。
10月23日 オーバーハウゼン(Oberhausen Germany)
控室に戻るとマークがセットリストを持っていた。僕たちのじゃなかった。ボブがマークに4曲やろうと誘ってきたのだ。バンドの控室は隣り合っていた。いつのまにか、チャーリーとトニーが来ていてマークとアレンジの相談をしていた。
僕たちのセットが終わりステージを降りて控室に帰ると、ポールがボブが変更したセットリストを持って待っていた。この土壇場になってのマークの課題。トニーが再びやってきてステージ衣装のことをアドヴァイスした。
僕らはまた飲み物を掴んでステージ下手にある、自分たちのモニターのところに行った。僕らのミキサーは積み込みでそこにはいなかった。ボブのクルーがステージをセットしていた。この場所はボブの表情までが見れる信じられないくらいに素晴らしく見晴らしが良いところだ。ボブそしてバンド、マークがステージに上がってきて「Leopard Skin Pill Box Hat」を始めた。次は「It Ain't me Babe」。そして素晴らしいヴァージョンの「Blind Willie McTell」。マークはレス・ポールを弾いていた。そしてそのまま「Things Have Changed」を演奏、ボブはハーモニカを吹いた。
10月25日 マンハイム(Mannheim Germany)
今日は早いめにホテルをチェックアウトして会場に向かった。特にボブとのステージがほぼレギュラー化しているマークにとって色々と試せる時間が少しでもあったほうがいい。特に今夜はマークに更なる課題があった。今夜は5曲ボブとやる。勿論、曲を覚えるわけではない。マークは知ってる。アレンジのためだ。それと僕らの控室で、チャーリーと一緒に何か引き出せないか見つけることだ。
マークとボブたちのサウンド・チェックやリハーサルをステージサイドで見ていた。曲のエンディングを変更したりしていた。
リハーサルの後、バックステージをうろうろしてたらドニーにぶつかった。最高の5弦バンジョーを持っていた。彼はバンジョーの中を見せてくれた。色々なピックアップと不思議な装置が一緒になって素晴らしいサウンドをかもしだしていた。僕も5弦のバンジョーを持っていると言うとドニーはクローハンマー・スタイルで凄いピッキングを見せてくれた。バンジョーの練習をしないと!!
John McCuskerがフィドルを持ってやってきたそしてドニーと一緒に演奏したマイクもパイプを持ってきて3人でトラディショナル・フォーク「Sail Away Ladies」を演奏した。ドニーはアメリカン・フォーク「Sally Anne」のメロディーがアイリッシュからきていると一般的に言われている事を認めた。
Bob Dylan - 2011-10-26 - Munich, DE (FLAC) by T.U.B.E
Bob Dylan - 2011-10-27 - Leipzig, DE (FLAC) by T.U.B.E
Bob Dylan - 2011-10-31 - Hamburg, DE (FLAC) by T.U.B.E
11月3日 マルメ(Malmo Sweden)
11月8日 インスブルック(Innsbruck Austria)
11月11日 フローレンス(Florence Italy)
11月12日 ローマ(Rome Italy)
11月14日 アッサーゴ(Assago Italy)
Bob Dylan - 2011-11-14 - Milan, IT (FLAC) by T.U.B.E
11月15日 ジュネーブ(Geneva Switzerland)
控室でセッションが始まった。ドニーがよく知る「Soldier's Joy」も演奏した。ドニーのリードで沢山のトラッドを演奏した。
11月21日 ロンドン(London England)
ツアー最終日
サウンド・チェックの時、ボブとマークはアンコールで「Forever young」を一緒に歌うことを決めた。そしてその時がやってきた。「Like a Rolling Stone」が終わると再びマークがステージにあがった。観客は熱狂の嵐。曲が始まりボブが最初のバースを歌った。そしてマークがマイクに近づき2コーラス目を歌うとさらに観客が過熱、その後マークの素晴らしいギターソロ、3コーラス目、マークが「And may your song always be sung」と歌いながらボブを指した。
僕らは、素晴らく見晴らしのいい秘密のバルコニーから、二人の巨匠がアイコンタクトしながら演奏するその一部始終を見た。このツアーのパーフェクトな終わり方だ。ボブとバンド観客にお辞儀をし、ステージを降りた。ボブとマークはお互いハグをし、短い会話した。僕らはボブが去るまでバルコニーでそれを見ていた。
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今回のツアーではドイツを8か所回った。そのトータルの動員数は100,000人にのぼると言われている。またツアーに合わせてソニー・ミュージック・ドイツはマーク・ノップラーと共演したTrouble in Mindを含む「Pure Dylan」というベスト盤を10月にリリースした。
▼Pure Dylan - An Intimate Look At Bob Dylan (Sony Music Germany)
同様にソニー・ミュージック・UKも「Beyond Here Lies Nothin'」というタイトルで2枚組のベスト盤を10月にリリースした(1枚組もあるようだ)。
イタリア、ローマ公演が始まる頃、ベルルスコーニ首相が辞職した。
かのサルマン・ラシュディがこんなことつぶやいた
Listened to Bob Dylan sing in Rome as Berlusconi finally fell. That felt right.
— Salman Rushdie (@SalmanRushdie) 2011, 11月 13
ベルルスコーニ.....うーん.....お茶目なんだが.......
ちなみに、ディラン、髭もちゃんと手入れしたら、「かっこよくなった」ともっぱらの評判だ。
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