ノエル・レディングとボブ・ディラン2



この前「実際、ノエル・レディングとディランがどれほどの仲だったかは知らない」と書いたらBob Dylan Examiner のHarold Lepidusが教えてくれた。




Did Bob Dylan record 'Hey Joe' with Hendrix bassist Noel Redding in 1992?


Glen Dundasの著書「Tangled Up In Tapes- A Recording History of Bob Dylan」によれば、ディランはレターマン10周年スペシャルに現れた同じ頃、ニューヨークで2曲レコーディングを行っている。


Unidentified recording studio
New York City, New York
January 1992

1. Hey Joe (Billy Roberts)
2. Dignity

Bob Dylan (vocal & guitar), backed by unidentified musicians.
Note. There is no tape in circulation from this session.




録音されたスタジオ及びバックのミュージシャンも不明、この時のテープも出回っていない。

1992年1月29日、ノエル・レディングはハワード・スターンのラジオ番組でインタビューを受けていた。


Howard Stern:デイヴィッド・レターマンと会ったことは?
Noel Redding:先週会った。10周年記念のやつで
H:パーティー? 僕は全く招待されたことが無いけど
N:君も友人と来るべきだよ。パーティーは良かったよ、何故かと言えばボブ・ディランがテーブルに来て、私にニュー・アルバムか何かで演奏してくれないかと頼んできたからさ。
H:ボブ・ディランのニュー・アルバムで演奏するのかい?
N:まぁ彼は依頼してきた

<break>

H:で、10周年記念番組の収録に行って何があったの?
N:ああ、番組は良かった、実際、良いショーだった。それはラジオ・シティーか何か......私は収録の後のパーティーに行ったんだ....ドラマーのアントン・フィグ、それと彼のワイフと一緒に座っていたんだ。で、ディランがテーブルにやってきて話し始めた。
H:ディランもパーティーに居たの?....
N:...彼は私のヒーローのようなものだ....
H:それで、どうしてディランがそこに居たの? 彼もショーに出た?
N:そうだ、彼は1曲うたった。
H:歌はあまり良くなかった?
N:いや、良かったよ...彼は私のヒーローのようなものだし....ナイショでサインも貰った。で、彼はニュー・アルバムか何かで演奏してくれないかと頼んできた。
H:それは、いつ頃の予定?
Co-host Robin Quivers:電話番号はきいたの?
N:2つきいてる。ある時点で連絡するだろう。


Like A Rolling Stone / David Letterman 10th Anniversary show
(Radio City Music Hall:1992.1.18)



BobDylan(vocal&guitar),Chrissie Hynde (guitar), Syd McGuinness(guitar),Steve Vai(guitar),Carole King (keyboards), Paul Schaffer(keyboards),JB Horns (horn),Edgar Winter (horn), Doc Severinsen(trumpet), WilliamE. Lee (bass),Anton Fig (drums), Jim Keltner(drums), Roseanne Cash,Nancy Griffith,Emmylou Harris, MichelleShocked, Staples. Mavis (backupvocals)



ああ、キャロル・キングの足に目が......


10周年記念のショーは1992年1月18日に収録された。そしてインタビューは11日後の29日に行われた。ニューヨークで録音されたディランの「ヘイ・ジョー」と「ディグニティ」もこの辺りで録音された。

不明のミュージシャンの一人がノエル・レディングだったのだろうか?
それは道理にかなってると思える。
多分ディランはウオームアップで「ヘイ・ジョー」をやり次に「ディグニティ」をやった。「ディグニティ」は『オー・マーシー』に収録されなかった曲だ。

1992年、7月12日、フランス(Juan-les-Pins)でのライブ、オープニングの1曲目が「ヘイ・ジョー」だった。

「ヘイ・ジョー」はこの日以降今まで演奏されたことがない。

などと言われたらどーしても聞きたくなる


Hey Joe(France Juan-les-Pins : 1992.7.12)

BobDylan(vocal & guitar), Bucky Baxter (pedal steelguitar&electric slide guitar), John Jackson (guitar), Tony Garnier(bass), IanWallace (drums), Charlie Quintana (drums & percussion)




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なるほど、ノエル・レディングが「ヘイ・ジョー」のセッションに参加した可能性は高い。少なくともディランにレコーディングのオフォーを受けていたのは確かなようだ。この10周年記念番組のバンマスはキーボードのポール・シャファーだった。彼のオーダーだったのかもしれないが、タイコはアントン・フィグとジム・ケルトナーの二人。彼らはこの年の、ディラン30周年記念ライブにもハウスバンドとして参加している。もしかしてアントン・フィグとかに聞けばわかるのではないだろうか?ハロルドさん。

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