拝啓、ロジャー・ウォーターズ様



もとピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズは今年9月からウオール30周年記念ツアーを開始する。そのロジャー・ウォーターズに対しCoSのライター、ジャスティン・ガーバー(Justin Gerber)は、一人のファンとしてロジャー宛ての公開書簡をwebに掲載した。
An Open Letter to Roger Waters...


ガーバーは、いかに自分がロジャーのファンであるかを説明しショーを褒めちぎったあとにこう切込んだ。

「あなたの声はあまり良くない」

いきなり確信をついてしまった。しかしその度胸は認めよう。
そして続ける

「この事をあなたも知っている。だから始の頃、デイブ・ギルモアやリック・ライトがあなたの曲を歌った。でも、アルバム"アニマルズ"の頃からあなたの歌う曲は増え始めた。"ウオール"ではもっと沢山の曲を歌った。そして"ファイナルカット"では1曲を除いて全てでリードを取った。なんでだと思う?3枚共に素晴しいアルバムだ。厭世的(えんせい)で疲れ切ったヴォーカルは正直だ。そしてそれはまた起るだろう」

おそらく、「ファイナルカット」では全曲リードを取りたかったのだろうが、声がもたなかったのだろうと言いたいのだろう、そしてその声の悪さが結果として「口パク」をさせたと言っている。この前(2006年)のイン・ザ・フレッシュ・ツアー、リオでの映像





最後のバースで、ロジャーは顔をそむけて完全にマイクから外れているにもかかわらず、ヴォーカルが聞えている。


ガーバーは言う。
「今回の記念ツアーは待ちきれないほど期待しているが、ひとつだけ希望がある、それはあの、スーパーサラウンドシステムが1979年のクルスタル・クリアーなヴォーカルで覆い尽されない事だ。それは2010年のひび割れた声であってほしい。本当にそう思う。ヴォーカルの衰えを恥じることは無い。ボブ・ディランやルー・リードはボロボロ声で上手くやってるじゃないか。僕はコンサートへ行く。そしてあなたに合うだろう。そのとき返事を貰えればうれしい」

この件に関して言いたいことは沢山あるがやめておく、しかしあえて言うならばディランは紛れもなく今を生きている。30年前のコンセプトを未だにずるずると引きずり「Why Now」などと言訳しながらライブなど絶対にやらない。ディランは常に更新しつづける。だからこそアーティストと呼ばれ、尊敬もされる、ロジャー自身、そのディランを尊敬するミュージシャンだと言ってるではないか。「Why Now」などと言訳しながらライブをやる人間が自分をさらけ出す勇気があるとは到底思えない.......それと、ついでに言っておくが、フロイドは全部聞いてる、ロジャーのソロのビデオそれも国内版すら持っている....とか言ったら石でも飛んできそうだが本当だ(苦笑)。若気のいたりというやつだな。きっと。いや、まぁ、だからでは無いのだが、言いたいことは本当に沢山ある、のだが、やめておく。

まぁ口パクは積極的には肯定出来ないが時と場合によってはOKだと思っている。しかし中には、ここでは言えない絶対に許せないようなものもある。

ツアーの前にはそのツアーメンバーとライブ録音し、いざというときに備えるのはよくある話しだが.....。

さてロジャー・ウォーターズは現在、10日のチケット前売に先立ち、Projections and Street Artというキャンペーンを展開している。そのキャンペーンは、アイゼンハワーの言葉を引用したもの

"Every gun that is made, every warship launched, every rocket fired,signifies, in the final sense, a theft from those who hunger and are not fed, those who are cold and are not clothed."
--Dwight D. Eisenhower




この言葉を壁や道に投影したり、何かポスターかステッカーのようなものをお芸術と称して(実際は販促キャンペーンだろう)張りまくっているらしい。






しかし、シルバーレイク(L.A.)担当のスタッフは少し調子に乗りすぎたようだ。エリオット・スミス・メモリアル・ウオールにこれを貼ってしまった。



2003年に急死したエリオット・スミスがアルバムのジャケットに使用した修理屋の壁。そこは彼の死後多くのファンが訪れ、今も花束やメッセージの書込みが絶えることのないファンにとってはいわば聖地のような場所。そこに無神経に張られたゲリラキャンペーンのステッカー、エリオット・スミスのファン達は抗議しロジャーは、「完全なミス」だと謝った。







「ロジャー・ウォーターズ、壁に謝る」とかわけのわからん事いわれてるが、つくづく壁がお好きなようだ。

Roger Waters(Facebook)
Roger Waters(Official)

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